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浮気調査知識

浮気調査知識

2026/01/22
離婚以外でモラル・ハラスメントが問題となった裁判例があるでしょうか。
家庭でのモラル・ハラスメントは、決して夫婦間のみに生じる問題ではありません。 子どもとの関係で問題となった事例や舅・姑との関係が問題となった事例などがあります。 また、 離婚時に問題となるだけでなく、相続時に問題となった事例もあります。1 東京家審平成25年3月28日 (家月65巻7号190頁)別居中の夫婦間において、 相手方である妻が監護養育している子について、申立人である夫が面会交流することを求めた事案です。 夫婦は離婚訴訟係属中で、妻は夫からモラル・ハラスメントを受けたと主張していました。 裁判所は、 調査官との面接において、 子が父と会うことについて、申立人と一緒に暮らさなければならなくなったら困るとして不安感を有しているものの、誰かが一緒にいてくれるのであれば父と会っても良いと述べたことなどを考慮して、 子が父と面会することによって子の福祉を害するおそれがあるとはいえないとして面会交流を認めました。 もっとも、 面会交流の内容について、 妻と夫が離婚訴訟中で、妻は夫からのモラル・ハラスメントを主張して厳しい対立関係にあり、PTSD を伴う適応障害との診断を受けていることから当事者間で協議を行うのは困難であることや、 子が第三者の立会いを望んでいること等を考慮して、 第三者機関立会の下で面会交流を実施し、面会交流の具体的な日時・場所及び方法については第三者機関の職員の指示に従うことを条件にしました。2 盛岡地遠野支判昭和52年1月26日 (家月29巻7号67頁)夫の両親と同居をしていた妻が夫に対する離婚請求と同時に夫の両親に対しても不法行為に基づく損害賠償請求を行った事案です。裁判所は、 夫とその両親らが妻の些細な行動にも必要以上の注意を与えたりあるいは叱りつけたりしていわゆる嫁いびりをするようになった(例えば、 「ご飯を食べるときの口のあけ方が悪いとか箸のもち方が悪い」と叱った、掃除をしている妻に「こう掃くものだ」と大声で怒鳴って箒を取り上げたり、桟の掃除をしていたら姑が 「そんな雑巾でふく人があるか」と雑巾を投げつけた等)と認定し、 別居後監護していた妻から子を連れ去った態様等とあわせて、夫とその両親の共同不法行為が成立し、損害賠償義務があることを認めました。3 釧路家北見支審平成17年1月26日 (家月58巻1号105頁)妻の遺言執行者が夫を相手方として申し立てた推定相続人廃除申立事件です。妻は、夫との離婚を求め離婚訴訟中でしたが、 その係属中に死亡しました。 妻は遺言書を作成しており、夫を推定相続人から廃除するとの内容が記載されていました。裁判所は、夫が、冬季の暖房代の節約と称して、自宅の居間をビニールシートでテントのように囲み、 その中のみを暖房したり、集めてきた廃材を燃やすなどして生活し、妻からのビニールシートを外し、 暖房を入れ、 家を清潔にしてほしい旨の求めに対しても応じず、妻を暖房の行き渡らない部屋で療養させたと認定し、末期がんを宣告された妻が手術後自宅療養中であったにもかかわらず、療養に極めて不適切な環境を作出し、妻にこの環境の中での生活を強いており、虐待と評価するほかないとしました。 そして、 夫が妻からの不満等にもかかわらず、 上述の生活を継続したり、妻について 「黙っていてもまもなく死ぬんだから」 などと言ったり、妻に対して「死人に口なし」「何時死ぬか分からない人間にカツラは必要ないだろう」 など、 その人格を否定するような発言をしたりしていたことから、 夫が虐待を認識・認容していたと判断しました。 そして、上記の虐待行為は、その程度も甚だしく、妻は死亡するまで夫との離婚につき強い意志を有し続けていたといえるから廃除を回避すべき特段の事情も見当たらないとして、その申立てを認容しました。本審判については、夫の態度が、 「主観的にも客観的にも身体的精神的虐待と見られる行為であり、自己の独特の価値観を強要するモラルハラスメントの典型で離婚原因としても精神的な虐待に該当するケースであったろう」 との指摘がされています (坂本由喜子 「推定相続人廃除」平成18年度主要民事判例解説 (判夕1245号128頁))。
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2026/01/22
その他のハラスメントとしては、 どのようなものがあるでしょうか。
1 その他のハラスメントハラスメントに関しては、セクシュアル・ハラスメントやパワー・ハラスメントがその典型でしょう。本書ではその他にもマタニティ・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、モラル・ハラスメントについて取り上げています。他にも様々なハラスメントが考えられますが、 本間では特に、 法律家として着目すべきハラスメントについて紹介します。2 ハラスメントの法的責任最近では様々な言動についてハラスメントであると指摘されることがあります。 本書で詳しく取り上げていないハラスメントも含めて、 別表に記載した言動がハラスメントになり得ると言われています。 このように、社会におけるあらゆる行為がハラスメントになる可能性があるわけですが、このような言動の中には、 深刻な権利侵害が生じるものもあれば、単に自分が不快と感じるにすぎないものなども含まれています。その他にも、たとえばいじめやストーカー等といった、 すでに一定の概念が確立している言動については、ハラスメントと呼ばれることはないかもしれません。 しかし、これらの言動が権利侵害を含む嫌がらせであることは明らかであり、実質的にはハラスメントと同様の性質が含まれるものと考えられます。 したがって、単にハラスメントと呼ばれているかどうかではなく、 その言動を受けた者に受忍限度を超えた権利侵害が認められるかを個別具体的に考えて、 法的責任の有無を検討する必要があると考えます。3 ハラスメントの種類また、別表 「ハラスメントの種類」に記載した各ハラスメントは、社会で話題となった言動にハラスメントという名称を付けているに過ぎないものも少なくなく、 したがって、他のハラスメントに包含される言動もありますし、 そのすべてのハラスメントに法的責任が生じるわけでもないと考えられます。 たとえば、 ハラスメントと呼ばれる言動でも業務の適正な範囲内である場合や、単なるマナー違反やエチケット違反に過ぎないと評価されるような言動であれば、 民法上の不法行為責任は生じません。もっとも、現時点では法的責任が生じないと考えられるハラスメントでも、今後の社会事情の変化に伴い、社会生活上の受忍すべき限度を超えたと評価される場合には、 新たなハラスメントとして、民法上の不法行為責任等の法的責任が生じる場合もあると考えられます。したがって、過去に法的責任を認めた裁判例がないようなハラスメントであっても、それだけで直ちに法的責任が生じないと考えるのではなく、その時点での社会通念を十分に考慮したうえで、 ハラスメントを受けた者に受忍限度を超えた権利侵害が認められるかどうかを個別具体的に考えて、法的責任の有無を検討する必要があると考えます。4 時短ハラスメント「2018ユーキャン新語・流行語大賞」でノミネートされた「時短ハラスメント (ジタハラ)」は、長時間労働を改善する具体策を提案しないまま、 経営者や管理職が従業員に業務の切り上げを強要する行為のことを言います。労働時間が短くなること自体は従業員にとって不利益がないようにもみえますが、 業務量を減らさないまま一方的に労働時間を短くしてしまえば、 残業の持ち帰りを事実上強制することになり、結果として従業員の労働時間は短くならないばかりか、適切な残業代が支払われない可能性もあります。 このような時短ハラスメントと呼ばれる行為に対しては、残業代を請求するとか業務量の調整を求めるなどの対応が考えられますが、 ハラスメントの一類型として構成すべきかはなお検討する余地があるかもしれません。
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2026/01/22
アルコール・ハラスメントとは何でしょうか。 裁判例としてどのような事例があるのでしょうか。
1 アルコール・ハラスメントの概要(1)昭和60年ころに、いわゆる「イッキ飲み」 のブームが起こりました。 急性アルコール中毒により若年者が死亡する痛ましい事件が報じられ、社会的に耳目を集めました。酒席での迷惑行為は、古くから日本社会にあったものと言えます。そして、昨今のハラスメントについての関心の高まりから、 急性アルコール中毒以外の各種の迷惑行為も総称する、アルコール・ハラスメントの用語が一般化したと言えます。(2) アルコール・ハラスメントとして、以下の類型が挙げられるとされます(特定非営利活動法人ASK https://www.ask.or.jp/、イッキ飲み防止連絡協議会)。① 飲酒の強要上下関係・部の伝統・集団によるはやしたて・罰ゲームなどといった形で心理的な圧力をかけ、飲まざるを得ない状況に追い込むこと。② イッキ飲ませ場を盛り上げるために、 イッキ飲みや早飲み競争などをさせること。「イッキ飲み」とは一息で飲み干すこと、早飲みも 「イッキ」 と同じ。③ 意図的な酔いつぶし酔いつぶすことを意図して、飲み会を行うことで、傷害行為にもあたる。 ひどいケースでは吐くための袋やバケツ、 「つぶれ部屋」を用意していることもある。④ 飲めない人への配慮を欠くこと本人の体質や意向を無視して飲酒をすすめる、宴会に酒類以外の飲み物を用意しない、 飲めないことをからかったり侮辱する、など。⑤ 酔ったうえでの迷惑行為酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言・暴力、セクハラ、その他のひんしゅく行為。2 裁判例(1) 酒席での迷惑行為は、セクハラやパワハラに関する裁判で、 ハラスメント行為の一部として主張されることがあります。(2) 酒席の参加者に対する飲みつぶしの意図がある場合や、酒席であることを隠して酒席に参加させ、無理やり飲酒させたという場合には、刑事罰の対象となり得ます。ホストクラブ内で、男性のホスト従業員に怒号するなどして強制的に23分間で1リットルの焼酎を一気飲みさせ、ホスト従業員が急性アルコール中毒で死亡した事案では、傷害致死罪が認定されました(東京高判平成21年11月18日東高時報60巻1~12号190頁。懲役3年6月)。サークルの飲み会に参加した女性を様々な手法で飲酒させて泥酔させ、複数人で姦淫した事案で、事件の性質や参加者が有名大学の学生だったことなどで注目を集め、平成14年の刑法改正(集団強姦罪・集団強姦致死傷罪の創設) につながったとされる、いわゆるスーパーフリー事件では、サークルの代表者に準強姦罪が認定されています (東京地判平成16年11月2日判夕1168号99頁)。 この事件では、準強姦罪の量刑の中では相当に重い、 懲役14年という刑が言い渡されています。(3) 無理な飲酒をさせることについての明確な意図が認められない場合には、主として、酒席の参加者や責任者に安全配慮義務が認められるか否かが争点となります。大学医学部のサークルの新入生歓迎コンパで、多量の飲酒後に被害者が死亡した事案では、参加者の地位や属性を検討したうえで、 安全配慮義務の有無が判断されています (福岡高判平成18年11月14日判夕1254号203頁)。この事案では、 飲酒後変調をきたした被害者の介護・搬送に関わったサークルの上級生らに、 安全配慮義務(保護義務)違反を認定しています。 また、 新入生歓迎会に最終的かつ最高の責任を負うべきサークルの部長および幹部には、 飲酒による事故が発生することがないようにする注意義務を認定しています。 ただし、被害者が成人していたことや、被害者による自発的で過剰な飲酒状況が認定されたことで、9割の過失相殺を受けています (認容額は合計で1314万2000円)。
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2026/01/22
ドクター・ハラスメントとは何でしょうか。 裁判例としてどのような事例があるでしょうか。
1 ドクター・ハラスメントとはドクター・ハラスメントという用語は、医師や医療従事者の暴言、行動、そして態度や雰囲気により、 患者の心に傷を残すような事案を広く意味するものとして使われています (土屋繁裕 『ストップザドクハラ』7頁(扶桑社、初版、2003年))。医師の言動等により、 患者が傷つくことは少なくないとされていますが、実際に裁判にまでなる事例は多くありません。2 ドクターに対する患者の権利意識の変化「ドクター・ハラスメントの問題は、古くから存在していましたが、医療現場における医師・医療従事者と患者 患者の家族との圧倒的な力の差により、 顕在化してこなかったと言われています (手嶋豊 『医事法入門』58頁(有斐閣、第4版、2017年))。近年、患者の権利意識が向上してきたことにより、 ドクター・ハラスメントの問題が社会問題として取り上げられるようになりました。他のハラスメント事例と同じように、 当事者の関係によって受け取られ方が変わり得るため、 どのような言動がドクター・ハラスメントにあたるのかについては明確な基準があるわけではありません。3 ドクター・ハラスメントの裁判例(1) 自律神経失調症で休職中の者に対する産業医の言動が問題になった裁判例 (大阪地判平成23年10月25日判時2138号 81頁、労経速2128号3頁)本裁判例は、自律神経失調症により休職をしていた原告が、上司から被告である産業医との面談を指示され、これに応じたところ、面談の際、被告から 「それは病気やない。 それは甘えなんや。」 「薬を飲まずに頑張れ。」「こんな状態が続いとったら生きとってもおもんないやろが。」等と力を込めて言われたため、 原告の病状が悪化し、復職時期が遅れたとして、原告が被告に不法行為に基づく損害賠償を請求した事案です。本裁判例は、主治医ではなく、産業医の言動が問題となった点に特徴がある事案と言えます。判決では、「被告は、 産業医として勤務している勤務先から、自律神経失調症により休職中の職員との面談を依頼されたのであるから、面談に際し、主治医と同等の注意義務までは負わないものの、 産業医として合理的に期待される一般的知見を踏まえて、面談相手である原告の病状の概略を把握し、 面談においてその病状を悪化させるような言動を差し控えるべき注意義務を負っていたものと言える。」 としました。 そして、「自律神経失調症の患者に面談する産業医としては、安易な激励や、圧迫的な言動、 患者を突き放して自助努力を促すような言動により、 患者の病状が悪化する危険性が高いことを知り、 そのような言動を避けることが合理的に期待されるものと認められる。」 としました。そのうえで、 原告との面談における被告の言動は、被告があらかじめ原告の病状について詳細な情報を与えられていなかったことを考慮してもなお、上記の注意義務に反するものということができるとしました。結論として、被告の不法行為責任を肯定し、原告の復職が遅れたことによる休業損害として30万円、 本件面談における被告の原告に対する言動や、これにより原告に生じた反応、 復職時期の遅れの程度等を考慮して、慰謝料として30万円を認め、被告に対し、合計60万円の支払いを命じました。(2) 医師の患者との面接時における言動が問題になった裁判例(最三小判平成23年4月26日判タ1348号92頁、 判時2117号3頁)本裁判例は、友人である男性からストーカーまがいの行為をされ、 自宅で首を絞められる被害などを受けたことがある患者が、診察受付終了時刻の少し前ころ、電話で強引に同日の診察を求めたことから、 精神神経科の医師が検査結果を伝えるだけという約束で面接に応じました。 面接した際に患者が質問などを繰り返したため、 これに答える形で、医師が患者に対し、人格に問題があり、普通の人と行動が違う、 病名は人格障害であると発言する等したことにより、 それまで発現が抑えられていた PTSD (外傷後ストレス障害)の症状が発現するに至ったとして、患者が医師の勤務する病院に対し、債務不履行または不法行為に基づく損害賠償を請求した事案です。原審は、面接時の医師の本件言動は医師としての注意義務に違反するものであり、本件言動が心的外傷となって患者のPTSDを発症したものであるとして、患者の請求につき、結論として201万円の支払いを認容しました。これに対し、最高裁判所は、医師の患者に対する言動は、 生命身体に危害が及ぶことを想起させるような内容のものではないことは明らかであり、PTSDの診断基準に照らすならば、それ自体がPTSDの発症原因となり得る外傷的な出来事にあたるとみる余地はないとしました。また、PTSDの発症原因となり得る外傷体験のある者は、これとは類似せず、また、これを想起させるものともいえない他の重大なストレス要因によってもPTSDを発症することがある旨の医学的知見が認められているわけではないとしました。 結論として、医師の言動と患者のPTSD 発症との相当因果関係を否定したうえで、病院の敗訴部分を破棄しました。本裁判例は、原審が相当因果関係を認めた点を問題とする論旨につき上告審として受理したため、 最高裁判所は、医師の発言に対しては、明確な判断を示していません。最高裁判所は、医師の発言の中にやや適切を欠く点があることは否定できないとしても、診察受付時刻を過ぎて本件面接を行うことになったことや、 当初の目的を超えて自らの病状についての訴えや質問を繰り返す患者に応対する過程での言動であることを考慮すると、これをもって、直ちに精神神経科を受診する患者に対応する医師としての注意義務に反する行為であると評価するについては疑問を入れる余地があると判示しました。(3) 医師ではなく、 医療従事者であるレントゲン技師が訴えられた裁判例(東京地判平成7年5月16日判夕 876号295頁)本裁判例は、 脳性小児麻痺による体幹機能障害のため、 両上肢、 両下肢に麻痺がある31歳の女性である原告が、 入院をしていた際に医師の指示により頸椎のレントゲン撮影をすることになりましたが、 麻痺があるため抵抗することが困難な原告に対し、担当したレントゲン技師が強制わいせつ行為を行ったとして、 原告がレントゲン技師および同技師が勤務する病院に対し慰謝料を請求した事案です。裁判では、被告のレントゲン技師が原告にわいせつ行為を行ったかが争点となりました。 1日で8名の人証の取り調べを行い、 被告のレントゲン技師の原告に対する強制わいせつ行為を認定し、 被告らに慰謝料として300万円の支払いを命じました。
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2026/01/22
カスタマー・ハラスメントとは何でしょうか。裁判例としてどのような事例があるでしょうか。
1 カスタマー・ハラスメントとはカスタマー・ハラスメント(略称「カスハラ」)とは、顧客による嫌がらせのことで、理不尽な言いがかりをつけて店員に土下座を強要したり、あるいはクレームを延々と述べてその対応のために店員を長時間拘束したりするなど、 様々な態様があります。 葉厚生労働省の職場パワーハラスメント (パワハラ)防止対策検討会においても、 「顧客や取引先からの暴力や悪質なクレームなどの著しい迷惑行為については、労働者に大きなストレスを与える悪質なものがあり、 無視できない状況にある」 として、 「顧客や取引先からの著しい迷惑行為について事業主に取組を求めることや社会全体の気運の醸成などの対応を進めるためには、職場のパワーハラスメントへの対応との相違点も踏まえつつ、関係者の協力の下で更なる実態把握を行った上で、具体的な議論を深めていくことが必要である。」 と指摘されており(厚生労働省 「「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」 報告書」 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11909500-Koyoukankyoukintoukyoku-Soumuka/0000201264.pdf(2019.1.20))、 今後の議論が注目されます。2 裁判例(1) 東京高決平成20年7月1日 (判夕1280号329頁、 判時 2012号70頁、 金法1852号57頁)この事件は、自動車損害保険契約に基づく保険金請求に関する交渉に関し、顧客が保険会社の従業員に対し多数回かつ長時間にわたり架電をするなどしてその業務を妨害し、 保険会社の業務に支障が生じた等として、 保険会社が顧客に対し業務妨害の禁止を求めて仮処分の申立てをした事案です。この事件においては、法人に対する業務妨害行為の差止めが、いかなる根拠、要件で認められるかが争点となりました。決定では、 法人に対する行為につき、 ① 当該行為が権利行使としての相当性を超え、②法人の資産の本来予定された利用を著しく害し、かつ、これら従業員に受忍限度を超える困惑・不快を与え、 ③ 「業務」に及ぼす支障の程度が著しく、事後的な損害賠償では当該法人に回復の困難な重大な損害が発生すると認められる場合には、この行為は「業務遂行権」に対する違法な妨害行為と評することができ、 当該法人は、当該妨害の行為者に対し、 「業務遂行権」に基づき、当該妨害行為の差止めを請求することができるとしました。(2) 大阪地判平成28年6月15日 (判時2324号84頁)この事件は、職員への暴言や膨大な数の情報公開請求などを繰り返し、大阪市住吉区役所の業務に支障をきたしたとして、大阪市が大阪府内在住の男性に対して面談強要行為等の差止めとともに損害賠償を求めた事案です。この事件においては、業務遂行権の侵害の有無や損害およびその額が争点となりました。判決では、上記決定とほぼ同様の要件を用いて差止め請求を認めました。一方で、損害については、被告男性の行為が情報公開請求やその権利行使に付随して行われているという事情に鑑み、その額を立証することが極めて困難であるとして、民事訴訟法248条に基づき、80万円を損害額とするとして請求を一部認容しました(請求額は賃金相当額ないしは超過勤務手当相当額を根拠に算定した190万9540円でした。)。 他にも、刑事では強要罪や偽計業務妨害罪の成立を認めた裁判例が多数存在します。3 法的対応以上の裁判例にみられるように、カスハラに対する法的対応としては、事後的に刑事事件として被害届を提出することや、損害賠償を請求することのほかに、事前に当該行為を差し止めることも検討する必要があります。また、企業側もこのような悪質なクレーマーへの対応を現場の従業員に任せきりにしているようであれば、会社が適切な対応をしなかったとして、従業員から労働契約上の「安全配慮義務違反」による損害賠償を請求される可能性もありますので、注意が必要です。
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2026/01/22
スモーク・ハラスメントとは何でしょうか。 裁判例としてどのような事例があるでしょうか。 また、 職場における受動喫煙により健康被害を被った場合、 会社に対して損害賠償を求めたり、その防止策を講じるように要求することができるでしょうか。
1 はじめにスモーク・ハラスメント (略称「スモハラ」)とは、非喫煙者が、職場などにおいて自己の意思に反して、喫煙者から喫煙することを強制されたり、 たばこの煙にさらされるなど、いわゆる「喫煙に関する嫌がらせ行為」のことを意味します。 作家の山本由美子氏によって平成5年に提唱された和製英語であり、その後徐々に普及するようになりました。2 喫煙に対する社会的意識の変化たばこは嗜好品としての歴史も古く、かつては喫煙について社会は比較的寛容でした。 ところが、 たばこの煙の害が健康に与える影響が明らかになるにつれ、 社会の意識も大きく変化し、スモハラの中でもとりわけ受動喫煙は、一般的に家庭や職場で大きな問題となっています。 特に最近では、職場における受動喫煙の問題が大きくクローズアップされるようになりました。3 法的規制このようなことから、 政府は平成8年2月、 労働省 (当時)の 「職場における喫煙対策のためのガイドラインについて」と題する通達(平成8年2月21日基発第75号)により、事務室や会議室に原則として禁煙の措置を講じ、受動喫煙を避けるよう求めたり、 平成15年5月1日には、健康増進法が施行され、その25条において、多数の者が利用する施設の管理者に対し、受動喫煙防止に必要な措置を講じる努力義務が定められました。また、厚生労働省は同月9日、「喫煙対策に関心をもって、適切な喫煙対策が労働者の健康の確保と快適な職場環境の形成を進めるために重要であることを、機会のあるごとに全員に周知するとともに、対策の円満な推進のために率先して行動すること」 を求めるガイドラインを定めました。平成15年の健康増進法の制定と前後して、 各地で後述のような裁判紛争も生じるようになり、公的機関は勿論のこと、民間でも受動喫煙対策を進める会社が増えてきています。このような状況を踏まえ、 平成26年には労働安全衛生法が改正され、受動喫煙を「室内又はこれに準ずる環境において、 他人のたばこの煙を吸わされること」と定義づけるとともに、事業者に対し、 その防止のため「当該事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずるよう努める」努力義務が定められ (労安68条の2)、 平成27年6月1日から施行されています。さらに平成30年7月には、 「望まない受動喫煙をなくす」ことを目的として健康増進法の一部を改正する法律 (平成30年法律第78号) が成立し、次のとおり令和2年4月1日の全面施行に向けた規制が段階的に進められることになりました。 すなわち、 令和元年7月1日から学校・病院・児童施設等、 行政機関においては原則敷地内禁煙が、 令和2年4月1日からは上記以外の施設等(一部例外施設を除く)について原則屋内禁煙がそれぞれ義務付けられることになり、違反者に対しては所要の罰則が科せられるなど、これまで努力義務だった同法の受動喫煙防止が法的義務に格上げされることになりました。 なお、 改正法に関する詳細については、厚生労働省のホームページを参照してください。4 裁判例地裁レベルではいくつか裁判例も出ていますが、以下に見るように、結論は事案により様々です。(1) 京都簡易保険事務センター (嫌煙権) 事件 (京都地判平成15年1月21日労判852号 38頁、 大阪高判平成15年9月24日労判872号88頁)この事件は、郵政事業庁 (当時)の職員で京都簡易保険事務センターに勤務していた原告が、 庁舎内における受動喫煙によって健康上の被害を被っているとして、被告国に対し、 安全配慮義務違反ないし人格権である嫌煙侵害または不法行為に基づき、全庁舎内部を禁煙とする措置をとることを求めるとともに、 被告が安全配慮義務を怠ったことによる慰謝料として50万円の損害賠償を求めた事案です。この判決においては、原告側の主張する禁煙(受動喫煙拒否)請求権が法的に認められるか否かが最大のポイントとされました。 判決では、本件センターがとっていた 「空間的分煙」 措置としての喫煙室の設置以上に、 庁舎内の全面的禁煙措置をとらないことをもって安全配慮義務に違反するとはいえないとして、結論的には原告の請求をいずれも退けましたが、「禁煙請求について安全配慮義務を根拠に危険を排除するための措置をとることができると解する余地がある」 とし、 また、 「受動喫煙を拒む利益も法的保護に値するものと見ることもでき、······その利益が違法に侵害された場合に損害賠償を求めることにとどまらず、人格権の一種として、受動喫煙を拒むことを求め得ると解する余地も否定することはできない」 と判示しています。(2) 江戸川区(受動喫煙損害賠償) 事件 (東京地判平成16年7月12日 判 878号5頁)この事件は、江戸川区の職員である原告が、 受動喫煙による急性障害が疑われるとの医師の診断書を上司に提出し、 執務室の外に喫煙室を設置して室内を禁煙とするよう求めたものの、 速やかに職場環境を改善しなかったとして、 安全配慮義務違反ないし不法行為を理由に、 被告区に対して医療費および慰謝料の一部として31万5650円の損害賠償を求めた事案です。この事件においては、 原告に対する被告区の安全配慮義務違反の成否と違反が認められた場合の原告の損害の範囲が主な争点となりました。判決では、職員の受動喫煙からの保護について区の負う安全配慮義務違反の有無については、受動喫煙の危険性の態様、程度、 被害結果と当局の分煙措置等の具体的状況により決すべきものとされ、 原告が受動喫煙による急性障害が疑われるとの医師による診断書を示し、何とかして欲しいと申し出たことにより、 被告としては、原告が執務室内において受動喫煙環境下に置かれる可能性があることを認識し得たとして、被告の安全配慮義務違反を認定するとともに、かかる安全配慮義務違反と相当因果関係にある損害として、 原告が医師の診断書を提出した時期以降の損害(5万円)のみを認めました。(3) 積水ハウス事件 (大阪地判平成27年2月23日労経速2248号3頁)この事件は、民間会社の従業員である原告が被告の会社に対し、 受動喫煙症等を罹患させ、関節痛や手首等の機能障害を生じさせたとして、安全配慮義務違反に基づく290万円の損害賠償 (通院慰謝料180万円と後遺障害慰謝料110万円) を求めた事案です。この判決では、被告が法改正等を踏まえ、工場内で受動喫煙状態になることがないように禁煙化するなど相応の受動喫煙防止策を講じてきていることを理由に、 原告が被告での勤務において受動喫煙状態を強いられていたとまでは評することはできず、被告が受動喫煙対策に関する安全配慮義務に違反したとまでは認められないと判断されました。5 まとめ以上の裁判例に見られるように、職場における受動喫煙により従業員が健康被害を被った場合、 職場に対して損害賠償を求めることができるか否かは、職場に従業員に対する安全配慮義務違反が認められるか否かにより異なりますが、裁判所としては、 江戸川区(受動喫煙損害賠償)事件の判決が示したように、 職場の安全配慮義務違反の有無は、受動喫煙の危険性の態様、 程度、 被害結果と職場の分煙措置等の具体的状況により決せられるという考え方に従って利益衡量しながら個別具体的に判断する傾向にあるものと思われます。 ただ、たとえ努力義務ではあっても労働安全衛生法が改正され、 たばこの煙が健康に与える影響に関する医学的知見が一定程度確立された今日的状況に加え、健康増進法の改正により受動喫煙防止が法的義務に格上げされたことを踏まえるならば、受動喫煙防止対策を一切講じずに事態を放置していたような場合には、職場の安全配慮義務違反が認められる可能性が高いと言えるでしょうし、 京都簡易保険事務センター (嫌煙権) 事件の判決が示したように、場合によっては、 安全配慮義務ないし人格権を根拠に、 職場に対してその防止策を講じるように要求できる余地も十分あり得るのではないでしょうか。なお、 職場における受動喫煙の事例ではありませんが、 マンションにおける受動喫煙が問題となった事例があります。 マンション内の原告の居室の真下に居住する被告が、 ベランダで喫煙を継続していることにより、原告の居室ベランダおよび居室内に煙が流れ込み、 体調を悪化させ、精神的肉体的損害を受けたとして、被告に対し慰謝料150万円を請求した事案において、 裁判所は、 被告が、 原告に対して配慮することなく、自室のベランダで喫煙を継続する行為は、原告に対する不法行為になると認定し、 慰謝料5万円の支払いを命じました (名古屋地判平成24年12月13日)。 不法行為を根拠とするものであり、いわゆる受忍限度論が問題となるケースですが、 他の居住者に著しい不利益を与えていることを知りながら、 喫煙を継続し、 何らこれを防止する措置をとらなかったことを問題としたものです。
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2026/01/22
コミュニティ・ハラスメントとは何でしょうか。裁判例としてどのような事例があるでしょうか。 裁判以外の救済手続があるでしょうか。
1 コミュニティ・ハラスメントとはコミュニティ・ハラスメントは、未だ成熟した用語であるとは言えませんが、ここでは地縁的な結びつきによる比較的小規模な共同体(地域社会やその内部の各種団体)において、多数の構成員が特定少数の構成員に対して共同して行ういじめや嫌がらせ、仲間外しや無視などのいわゆる村八分(共同絶交)を指すものと考えることとします。このような共同体の構成員は、必ずしもその意思に基づかずにコミュニティに組み込まれ、冠婚葬祭その他の行事や共有財産の管理等をめぐって相互に依存し緊密な人間関係を求められることがあります。 村八分の対象になると、深刻な精神的苦痛にさいなまれるほか、日常生活が脅かされることもありますが、 生活基盤がコミュニティにあるため離脱することも容易ではありません。2 裁判例村八分(共同絶交)は、古くから裁判例に登場しています。(1) 刑事では、①大判明治44年9月5日刑録17輯1520頁をはじめ、共同絶交の通告を名誉や自由に対する加害の告知に当たるとして脅迫罪(刑222条、暴力処罰1条1項) の成立を認めた裁判例があります(多くは戦前のものですが、戦後のものとしては、②大阪高判昭和32年9月13日高刑集10巻7号602頁等)。共同絶交が被絶交者の非行その他正当な理由によるものである場合は、違法性がなく脅迫罪は成立しないと考えられています (③ 大判大正2年11月29日刑録19輯1349頁、 ④ 福岡高判昭和29年3月31日高刑集7巻2号217頁等)。(2)民事では、名誉や自由、 人格権の侵害等の理由で (共同) 不法行為による損害賠償責任や人格権に基づく差止めが問題になります。中心になるのは、 精神上の損害の賠償 (慰謝料) ですが、 これを認めたものとして、古くは⑤ 大判大正10年6月28日民録27輯1260頁や⑥ 東京高判昭和27年5月30日下民集3巻5号730頁があります。住民の多数が共同して絶交の決議をして通告し、これを実行したことは、被絶交者の名誉や自由を侵害する不法行為にあたる旨判示しています。 最近の裁判例として、 ⑦ 津地判平成11年2月25日判夕1004号188頁は、12世帯が生活する地区において、 地区外からの転入者との交際を契機に地区住民から様々な糾弾を受けた者が、住民全員の会合で共同絶交を宣言され、 親族による謝罪を執拗に要求されたりした事案です。 一連の行為は社会通念上許容される範囲を超えた「いじめ」ないし「嫌がらせ」 で、人格権侵害に基づく共同不法行為の成立を認め、慰謝料30万円と弁護士費用3万円の支払いを命じました。⑧大阪高判平成25年8月29日判時2220号43頁 (原審⑨神戸地社支判平成25年3月26日判時2220号46頁) も、 15世帯で構成される隣保において2世帯の住民に対し共同絶交等が行われた事案で、⑦とほぼ同様の論旨で共同不法行為による慰謝料40万円と弁護士費用4万円の支払いを命じました。財産上の損害の賠償を認めた裁判例もあります。 ⑩ 熊本地人吉支判昭和45年3月24日判時599号72頁は、部落で食料品等の小売りを営む者が、商品を買わないボイコット(不買同盟) を中核とする共同絶交を受けたため、廃業して部落外への転居を余儀なくされた事案で、家屋の解体移築費用と営業上の逸失利益の賠償を認めました (慰謝料と弁護士費用も認めています。)。人格権に基づく差止めを認めた裁判例として、 ⑪ 新潟地新発田支判平成19年2月27日判夕1247号248頁があります。 村内の約36戶で構成される集落で、恒例行事からの脱退を申し出た者らに対し、集落のごみ収集箱や駐車場等の施設の使用禁止等の決議をして通知し、これを実行した事案です。 人格権としての利益の侵害を未然に防止するため、これらの行為の差止めを認めました (20万円の慰謝料も認めています。)。被告らが、 村から2度にわたりやめるように勧告を受けたのに従わず、 本人尋問においても同様の態度を示したことなどを考慮したものです。3 裁判以外の救済手続⑧⑨や10の事案では、法務局の人権相談も利用されたようです。 これは、人権侵犯事件について調査し、 被害者等に対する援助や相手方等に対する勧告等の措置を講じるものです (人権侵犯事件調査処理規程(平成16年法務省訓令第2号))。 平成30年の村八分事案の相談は24件でした(平成30年における「人権侵犯事件」 の状況について(概要)法務省の人権擁護機関の取組~)。また、弁護士会や日本弁護士連合会の人権擁護委員会に対する人権救済の申立てが利用されることもあります。 人権擁護委員会では、事案を調査したうえ、必要に応じて勧告等を行います。 最近では、平成29年11月に大分県弁護士会が同県内の農村部の自治区 (町内会)に対し、平成30年8月に奈良弁護士会が天理市内の自治会に対し、いずれも村八分事案に関して是正勧告を行い、話題になりました。これらの救済手段は、関係者の任意の協力を得て実施されるものですが、柔軟な対応により自主的な解決を促すことが期待できます。
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2026/01/22
レイシャルハラスメントとは何でしょうか。 裁判例はありますか。
1 レイシャル・ハラスメントとはレイシャルハラスメント (略称は「レイハラ」)は、「人種や皮膚の色、 祖先、 出身地、 民族的出自、 民族文化、宗教的信条、 国籍等の人種や民族的要素に基づくハラスメント」 と言われています(金明秀 『レイシャル・ハラスメントQ&A』 15頁 (解放出版社、第1版、2018年))。日本ではまだ認知度が低いハラスメントですが、欧米では広く知られているハラスメントの形態です。日本にはレイシャルハラスメント自体を規制する法律はありませんが、1965年に採択された国連の人種差別撤廃条約に1995年に加入しており、この条約は国法の一形式として国内法的効力を有しています。この条約は公権力と個人の関係を規律するものであり、 私人間の関係を直接規律するものではありませんが、その趣旨は民法709条等の個別の規定の解釈運用を通じて実現されるものと考えられています (大阪高判平成26年7月8日判時 2232号34頁)。したがって、レイシャル・ハラスメントは、職場や学校だけではなく、私人間の関係が生じる社会のあらゆる場面で問題になり得ます。2 職場におけるレイシャル・ハラスメント(1) 近年、日本で働く外国人が増加していますが、 たとえば仕事のミスを出身国と結びつけて指摘するような、人種や国籍に配慮を欠いた言動をしてしまうと、パワー・ハラスメントのような言動ではなくても、事業主に損害賠償責任が生じることもあります。 単に特定の人種や民族をからかうようなジョークでも、レイシャル・ハラスメントと認定されることもあります。 したがって、上司と部下の関係だけではなく、同僚間や顧客との関係でも生じることが考えられます。(2) レイシャル・ハラスメントは、セクシュアル・ハラスメントやパワー ー・ハラスメントに比べても取組みが遅れています。 事業主には、他のハラスメントと同様にレイシャル・ハラスメントに関しても、職場環境配慮義務の一環として従業員に対する研修を実施するなどの配慮が必要になると考えます。3 ヘイトスピーチ(1) 近年、特定の人種や民族への憎しみをあおるようなヘイトスピーチも見られますが、 このようなヘイトスピーチもレイシャル・ハラスメントに該当すると考えられます。(2) ヘイトスピーチに関する裁判例として次のようなものがあります。在日朝鮮人の学校を設置・運営する法人が、同学校周辺で前後3回にわたって行われた示威活動とその映像がインターネットを通じて公開されたことによって、 授業を妨害され、名誉を毀損されたとして、不法行為に基づき、市民団体と関係者9名に対し街宣活動の禁止と計3000万円の損害賠償を求めて訴訟を提起しました。裁判所は、同校には在日朝鮮人の民族教育を行う利益があるとした上で、街宣活動は在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴える意図で行われたもので公益目的は認められず、表現の自由により保護されるべき範囲を超えており、街宣内容は人種差別撤廃条約に盛り込まれた「人種差別」に該当し、 同学校の児童が人種差別という不条理な行為で被った精神的被害は多大であるとして、 同学校の半径200メートル以内の街宣禁止と計約1226万円の支払いを命じました (京都朝鮮学校公園占用抗議事件。 最三小決平成26年12月9日、 原審大阪高判平成26年7月8日判時2232号34頁、 一審京都地判平成25年10月7日判時2208号74頁)。また、この示威活動について、 一部の被告は威力業務妨害罪と侮辱罪で公判請求されました。 この示威活動が正当な政治的表現行為として違法性が阻却されるかなどが争点になりましたが、 裁判所はいずれも有罪と認定して、その判決が確定しています (京都地判平成23年4月21日)。(3) 平成28年6月3日に本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律 (いわゆる「ヘイトスピーチ解消法」)が制定され、国と地方公共団体に対し相談体制の整備や教育、啓発活動の充実に取り組むことを責務と定めているものの、ヘイトスピーチそのものの禁止規定や罰則規定はありません。 もっとも、 法律により明確に禁止されていないとしても、 前述のように、 ヘイトスピーチによって民法上の不法行為が成立することがありますし、 刑法上の威力業務妨害罪や侮辱罪も成立することがあります。
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